パックラフトを始めようと思ったとき、まず困ったのは何を買えばいいのか分からないことでした。
山と違って、道具の名前も、何が必須で何が後回しでいいのかも、見当がつきません。
結局、私は一気に揃えました。そのときの記録です。
買ったもの
艇:フロンティア CW-220
全長220cm、本体3.0kg、定員1名。静水用のモデルです。
湖や、穏やかな流れの川に向いたつくりで、ボトムは反りのないフラットな形です。そのぶん安定していて、荒れた流れを攻めるための艇ではありません。
これは、あとから効いてきます。
パドル:アクアバウンド カーボン
2ピースのカーボンです。
PFD(ライフジャケット):Astral E-Ronny
これは省けません。
ヘルメット:自転車用を流用
もともと自転車用に買ってあったものを、そのまま使いました。
あとから知ったのですが、水用のヘルメットは自転車用とは作りが違います。水が抜けるようになっていて、守る範囲も違うそうです。買い直すかどうかは、下る川によると思っています。
総額は、20万円かかりませんでした
一気に買ったので、それなりの出費でした。ただ、思っていたよりは収まりました。
理由ははっきりしていて、艇を中古で買えたからです。知人が安く譲ってくれました。
新品で一式そろえていたら、この金額では収まらなかったと思います。
逆に言うと、艇をどう手に入れるかで、始めるときの金額はかなり変わります。中古で出てくることもあるので、急がないなら待ってみるのも手だと思います。
最初に下ったのは、美々川でした
理由は単純です。
危険なところがなくて、沈しても安心だったから。
初めて川に浮かぶときに、いちばん怖いのは「ひっくり返ったらどうなるか」だと思います。そこが安心できる川を選べたのは、大きかったです。
技術を試す場所ではなく、まず水の上に慣れる場所として選びました。
道具も川も、教えてもらいました
ここは正直に書いておきます。
私は講習やスクールには行っていません。その意味では独学です。
ただ、道具を教えてくれた知人がいました。最初に下る川も、その人に教わりました。
もしそれがなかったら、私は何を買えばいいのかも、どこなら安全なのかも分からないままでした。たぶん始められていません。
川は、山より情報が少ないです。同じ川でも水量で別物になりますし、地図を見ただけでは危険なところが分かりません。
詳しい人に聞ける状態をつくるのが、いちばん最初にやることかもしれません。ショップでも、ツアーでも、経験者でも。
艇よりも、技術だと思っています
静水用の艇は、荒れた流れ向きではありません。だから行き先も、穏やかな川を選ぶことになります。
去年、釧路川の源流を下ったときは、荒れていると聞いた区間を飛ばしました。今年、シーソラプチ川は水量が多そうだったので下りませんでした。
ただ、これを「艇が静水用だから」で終わらせるのは違うと思っています。
いちばん足りていないのは、私の技術です。
艇を買い替えれば荒れた川に行けるようになる、という話ではありません。流れを読めるかどうか、沈したときに自分で立て直せるかどうか、危ないところを手前で見つけられるかどうか。そこが増えないかぎり、行ける川は増えません。
ただ、ここは少しややこしいところがあって、良い道具を使うと上手くなった気がするのも本当です。実際、そう感じる場面はあります。
ですが、それはある程度、知識や技術がついてからの話だと思っています。
何も分からないうちは、良いものを持っていても、どこが良いのか分かりません。違いに気づける状態になって、はじめて道具が効いてくる。逆に言えば、下地がないまま良いものを買っても、その良さは眠ったままです。
道具は、その技術に見合ったものを選ぶだけだと思っています。先にあるのは技術のほうで、艇はあとから付いてきます。
おわりに
始めるときに揃えたものを、もう一度並べます。
- 艇:フロンティア CW-220(静水用・中古)
- パドル:アクアバウンド カーボン2ピース
- PFD:Astral E-Ronny
- ヘルメット:自転車用を流用
これで20万円弱。最初に下ったのは美々川でした。
ただ、これは私の場合です。下りたい川が違えば、選ぶ艇も変わります。
そして道具より先に、聞ける人を見つけること。私はそこを人に助けてもらいました。
艇は、そのあとでいいと思います。上手くなったぶんだけ、行ける川が増えていく。私はまだ、その途中にいます。