十年ほど前の話になる。
千歳のアウトレットモール「レラ」で、閉店セールをやっている店があった。
棚に残っていたのは、大きいサイズだった。フェニックスのXL。パンツとソフトシェルが、値引きされたうえにさらに安くなって、そこにあった。
二着とも買った。サイズは、ちょうどよかった。
太ももはパツパツ、それでも歩けた
履くと、太ももはだいたいパツパツになる。
それでも問題はなかった。生地が伸びたからだ。
これは実際に山を歩いてみて分かったことなのだが、サイズが合っているかどうかと、動けるかどうかは、別の話だった。表記が合っていても伸びない生地だと、しゃがむ、またぐ、段差を越える、といった動作でいちいちつっかえる。逆に、多少きつくても伸びる生地なら歩ける。
サイズ表記より先に、伸びるかどうか。試着できるなら、その場で深くしゃがんでみるのがいちばん早いです。突っ張る感じがなければ、多少きつくても山では困りません。
大きいサイズは、売れ残りの棚に残っている
大きいサイズが見つけにくいのは本当だと思う。ただ、セールの棚に関しては話が逆になる。
売れ筋のサイズから先になくなるので、最後まで残っているのは大きいサイズのほうなのだ。あのときも、定価では選ぶどころではなかったものが、選べる状態で残っていた。
「置いていない」のではなく、「置いてある場所と時期が違う」のだと思う。
いまはブカブカになった
体が変わって、あのパンツはいまブカブカだ。履くのは年に一回くらいになった。
それでも捨てていない。
サイズが合う期間は、ずっとは続かない。増えても減っても合わなくなる。それでも、その時の自分に合う一着があるかどうかで、山に行けるかどうかが決まってしまう。あのときの自分には、あれが必要だった。
おわりに
いま、自分に合うサイズが見つからなくて足踏みしているなら、セールの棚を見てほしい。
売れ残っているのは、たいてい大きいサイズだ。